プロジェクトストーリー

CASE01入社1年目で任された
やりがいのあった現場

最もやりがいを感じる瞬間は、自社製品や自らが何らかの形で携わった製品を街中で目にした時です。

最もやりがいを感じる瞬間は、

自社製品や自らが何らかの形で携わった

製品を街中で目にした時です。

北勢工業の従業員にとって最もやりがいを感じる瞬間は、自社製品や自らが何らかの形で携わった製品を街中で目にした時です。
私が入社1年目に営業として最初に担当したのは、大阪にあるJR高井田中央駅の駅前広場整備工事という大きな現場でした。今でもその駅の前を通ることがありますが、その度に当時の達成感や安堵感といった思い出が蘇ります。

打ち合わせ風景写真

入社1年目で大きな現場を担当させてもらえたことで、それに応えようと取り組みました。

ベテラン上司指導のもと、入社1年目からやりがいのある現場に携わることができました。受注した製品は鋳鉄製の側溝蓋で、斜めコーナー加工という特殊な加工が必要でした。
一般的な規格品は真っ直ぐの側溝蓋がメインですが、今回のケースでは斜めコーナーに対応するために特殊な形状になっており、仮に現在の私が担当するとなった場合でもなかなか一筋縄ではいかない現場だったと思います。
当時の私は、大きな仕事を担当させていただいた期待に応えようと一生懸命でしたので、何度も現場に通い現場担当者と打ち合わせをし、自分でもスケールを持って現場に入り、実際に寸法の実測も行ったうえで製造手配をしました。正直、やれるだけのことはやったという思いはありました。

納品した製品の加工寸法が合わず、さらにやり直す時間も無いという大ピンチに!

しかし、完成した製品を現場に納品したところ、加工寸法がうまく合わず、その時は頭が真っ白になりました。合わないモノは使えませんので、製品の一部を製造し直すしかありませんでした。
ですが、納期(つまり駅のオープンの日時)は決まっており、このタイミングで加工し直すには工期的に厳しいという状況。いくら1年目の社員であっても側溝の蓋を理由に駅のオープンを遅らせることが出来ない事は分かっていましたから、とにかく焦りました。

プロジェクトストーリーイメージ

上司や協力会社様など周りの人に支えてもらいながら、どうにかギリギリ納品できました。

そのような状況で1年目の社員が工場と交渉するのは難しく、力不足を実感しましたが、そこは上司が入ってサポートしてくれたり協力工場の方々も忙しい中前向きに協力してくださったお陰で、タイトな納期でしたが、何とか間に合わせることができました。実に、駅オープン当日、オープン前ギリギリでの納品となりました。
実際に、私も現場で側溝蓋を設置しに行ったのですが、1回目に加工寸法が合わなかったものがぴったりとハマったときは達成感と安堵感で膝から崩れ落ちそうでしたね(笑)

たとえ失敗しても、先輩たちがカバーしてくれる。だからこそ思いっきり頑張れました。

このような大きな現場を通して一通りの現場の施工のやり方やスケジュール感を1年目で肌で感じることができたのと同時に、ひやっとするような経験をさせていただいたことによって、周囲の人の大切さ、有難みを心から感じることができました。また、「失敗しても先輩がカバーしてくれる」という社内の風土を感じることができ、そういった中での仕事の責任の重さ、知識、段取り、物事に取り組む姿勢、判断基準などあらゆる点において急成長を遂げることができたと感じます。
街中で当たり前のように設置されている側溝やマンホールの蓋にも、実は壮大なドラマがあるかもしれません。北勢工業の社員の多くはそのような経験をしているからこそ、街でふと自社製品を目にすると、とても誇らしい気分になると思います。

CASE02初現場で、カタログには載っていない
特注仕様のルーツグレートを納品

街の中のほんの一部だとしても、部材ひとつひとつ、細部にこだわるものづくりの姿勢を学びました。

街の中のほんの一部だとしても、

部材ひとつひとつ、細部にこだわる

ものづくりの姿勢を学びました。

入社して初めて関わった現場です。先輩との同行期間が終わり、1人で営業を始めて間もない頃でした。お問い合わせをいただいて嬉しかったこと、図面をメールするだけでも緊張したことを覚えています。

打ち合わせ風景写真

お客様の希望を叶えるのは、営業開発ならではの役割だと感じました。

この現場では、カタログのラインナップにはお客様が希望するサイズが無かったため、通常は正方形で使用する製品を半分使いし、歩道用として使用しています。また本体色も特注色なので色味や艶についてやり取りを重ねました。このように使い方を工夫することでカタログには載っていない提案をしたり、お客様の希望を叶えるのは営業開発ならではの役割だと思いました。

特注製品の工程を知ることで、より深い知識と経験を得ることができました。

私は街づくりや設計について専門的な勉強はしたことがなく、今の仕事に就きました。道路に樹木を植えるのに基準があることなど思いもよらず、設計者は全体のバランスから材料一つのディテール、施工の方法から完成後の製品の耐久性等、あらゆることを考えて設計していることを初めて知りました。質問を受ける度に言葉の意味から調べて勉強し、先輩に手助けしてもらいながら応える日々でした。

プロジェクトストーリーイメージ

1つの製品が出来上がるまでに3~4年。
実際に街に設置されたときは感動しました!

現場にもよるのですが、1つの製品の設計が始まってから完成までにおおよそ3~4年かかります。完成した現場を見た時は、提案した製品が設置されていることに感動しました!自分の手がけたものが見える形として目の前にあるということが、これほど嬉しいとは思いませんでした。
今でもこの道を通ると、1年目の頃の自分を思い出します。

街という大きい空間のなかではほんの一部ですが、部材ひとつひとつの細部にこだわって作り上げるという、ものづくりの姿勢を学びました。

例えば、当時素人であった私には一見違いのわからないような色の差でも、細部の違いにまでこだわっていたり、どうすればより良くなるのかを考えたり、という真摯な姿勢が印象に残っています。
北勢工業は、ルーツグレートのシェアが国内トップですが、この特注仕様の製品づくりを通して、その実績に恥じない「ものづくりの姿勢」を学ぶことができました。そして、それは北勢工業だけの姿勢ではなく、設計事務所の方をはじめ、ものづくりを支える多くの人から感じ取ることができました。そういった真摯な姿勢や誠実さがあってこそ、豊かな街づくりが出来るということを教えてもらった現場でした。

CASE03デザイン性のある特注フェンスを短納期で納品

妥協せず、常に最高を求め、出来ない理由を探すよりも、どうすれば出来るかを考えることが大切。

妥協せず、常に最高を求め、

出来ない理由を探すよりも、

どうすれば出来るかを考えることが大切。

これはある程度経験を積んだ頃に担当せていただいた特殊な現場でしたね。諸事情により短納期の現場でのご発注でした。公園の周りに取り付けるフェンスで、デザイン性のあるものがほしいとのことでご依頼をいただきました。

打ち合わせ風景写真

「越前堀児童公園」の地名の由来から、水仙が入った可愛らしいデザインを提案。

現場は、もともとデザイン性の無いごく普通のフェンスが設置されていました。老朽化に伴い、それをデザイン性のあるものに作り変えるという内容でした。
施工現場の名前は「越前堀児童公園」という公園です。江戸時代この辺りは越前福井藩主、松平越前守が住んでいた屋敷跡地で「越前水仙」という植物が植えられていました。その由来にちなんで、水仙のデザインがあしらわれたパネルをご提案させていただきました。

短納期かつ、特注仕様。何もかも走りながら考えました(笑)

通常であれば、設計の段階から関わることが多いので、このような製品の通常工期としては、1~2年ほど確保するところを、話をいただいたのが12月上旬で、翌年3月末の工期であったため、製品の提案から製造・納品まで僅か4カ月ほどしかありませんでした。
製造にかかる時間を考慮すると、仕様(寸法や加工方法等)を確定し、製造手配を行う最終締め切りが12月上旬という状況でしたので、それに間に合わせられるようにご提案を進めました。

プロジェクトストーリーイメージ

製品を直接施工現場まで運び、自ら設置。後付けでも設置できるよう、ねじ止め位置を工夫。

実際に仕様が固まって工場に発注できたのが12月中旬。そこから製造となると、モノが出来上がるのが工期間際。製品が出来上がり、直接車に製品を積み込み、現地で自ら設置していきました。
製造手配の時間がないことが最初から分かっていたため、デザインの必要がないフェンスの柱の部分だけは先に製造、納品しておき、後から水仙のデザインを施したパネルを設置するという進め方になりました。その際に取り付け寸法が合わないと正しく施工できなくなる恐れがあったため、先輩方や開発部門の経験やアドバイスから、ねじ止め位置に多少ゆとりを持たせた仕様で製造しました。さらに、施工業者さんとも事前に摺り合わせを重ねていたため、見事に問題なく設置完了しました!

時間がないからといって妥協せず、最高を求め、出来ない理由を探すよりも、どうすれば出来るかを考えることが大切と学びました。

水仙のデザインはご覧の通り色がついています。この色付けには時間がかかるので、納期まで時間がない状況から、水仙のデザインはパネルの片面だけがいいかなと考えていたのですが、上司から「たしかに状況を考えると片面が無難だと思うが、このパネルは両面とも人の目に触れることになる。片面しかデザインが入っていないと、見る人は残念に思わないだろうか?」という言葉からに現場一同「なるほど」と納得し、限られた時間の中で両面の色付けを行う事を決めました。
現場としては大変でしたが、最終的に発注元のお客様から盛大な感謝のお言葉をいただくことができました。
片面のデザインだけであれば、きっとそれなりのものしか出来ていなかったな、と思いました。
プレッシャーのかかる場面だとつい弱気になってしまいますが、そういう場面で攻めの姿勢を貫くことができるかどうかで結果は変わってくるということを実感しました。